奈良市で現地調査と雨漏り診断

奈良市の現地で雨漏り調査をを実施した結果、雨水の侵入箇所はベランダではなく、棟瓦と壁際板金の取り合いでした。

室内の天井には、照明周辺を中心に大きな雨染みと木部の変色・ひび割れが確認できました。このシミは一度にできたものではなく、長期間にわたって少しずつ水分が染み込んでいた証拠です。
木目の色が黒ずみ、板が反っている部分もあり、すでに天井裏の下地木材まで湿気が回っている可能性が高い状態でした。

奈良市雨漏りの原因（棟瓦と水切り板金）

今回の雨漏りの原因ですが、瓦と水切り板金の間に隙間が生じており、そこから雨水が下地へと回り込んでいました。長年の風雨で葺き土が風化し、瓦がわずかにズレていたことも原因の一つです。
これにより内部が常に湿った状態となり、塗膜剥がれや下地腐食を引き起こしていました。

瓦と板金の隙間は1〜2mmでも雨水が侵入します。特に壁際の水切りは「板金が壁を押さえる形」で雨を流す構造ですが、経年でコーキングが切れたり、板金が浮いたりすると、内側へ雨が回り込みます。

この隙間にコーキングだけ打ってもダメです。かえって水が中に閉じ込められ、下地を腐らせてしまいます。必ず板金の下地ごとやり直す必要があります。

🔍【現場調査の結果と施工内容】

今回のお客様は、「5年前に他社でベランダ防水をしても雨漏りが止まらなかった」とのことで、
街の屋根やさん奈良南店へお問い合わせをいただきました。

現場にて雨漏り診断士が屋根・外壁・ベランダの全体を詳しく点検した結果、雨水の侵入箇所はベランダではなく、屋根の棟瓦と壁際の水切り板金の取り合い部分であることが判明しました。

棟瓦の一部がズレ、葺き土（屋根瓦を支える下地の土）が劣化しており、そのすき間から雨水が侵入して下地を濡らしていました。また、壁際の板金は経年でわずかに浮き上がり、強風雨時には雨水が逆流する状態でした。
このため、ベランダ防水ではなく屋根の部分補修が必要と判断しました。

そのため今回は、**「部分的に棟瓦積直し工事」**として、棟瓦を一度すべて撤去し、南蛮漆喰で防水下地を新設後、既存瓦を積み直します。壁際の水切り板金の下地（防水シート）のやり替え・防水処理と塗装仕上げで雨水の侵入を防止します。
最後に天井の張り替えと塗装をします。。

、「棟瓦の積み替え」と「棟瓦の取り直し」はどう違うの？

実は、「棟瓦の取り直し」と「棟瓦の積み直し（積み替え）」は、似ているようで内容・施工範囲が少し違います。

✅ 棟瓦取り直し＝全面リセットして新しく積み直す工事
✅ 棟瓦積み直し（積み替え）＝既存瓦を再利用しながら一度外して再構築する工事

🔹 棟瓦取り直しとは

棟全体を一度解体し、葺き土や下地、銅線などをすべて新しくして積み直す工法。
「フルリフォーム」に近い内容です。

🔹 棟瓦積み直し（積み替え）とは

既存瓦を再利用して、一度外して下地調整をして再び積む工事。
「リセット」ではなく「再構築」に近いです。

「積み直し」は部分補修の考え方。古い葺き土を残すか新しくするかの判断が肝で、劣化が進みすぎている場合は取り直しに切り替えます。

奈良市棟瓦積替え工事の様子

既存の棟瓦を一枚ずつ撤去します。中の葺き土（古い土台部分）は、湿っておりカビ臭もありました。
この土は吸水性が高いため、一度濡れると乾きにくく、常に湿気を持つ状態になります。

葺き土は40年以上経つと防水性がゼロになります。
ここを南蛮漆喰に変えることで、同じ雨漏りを二度と繰り返さないようにできます。

壁際防水補修

壁際の部分は、雨漏りの原因になりやすい“屋根と壁の取り合い”です。現場調査の結果、板金そのものには大きな損傷がなかったため、水切り板金は外さずに、瓦の下にある防水シートを新しく貼り直しました。

古いシートは経年劣化で硬くなり、ところどころにヒビが入っていたため、雨が吹き込んだ際に少しずつ屋根内部へ染み込んでいたと考えられます。一度瓦を丁寧に外して下地を清掃し、新しい防水シートをしっかり重ね貼りして雨水の侵入経路を断ちました。

南蛮漆喰の施工

防水性と接着力に優れた南蛮漆喰を使用します。 これは、漆喰に防水剤と繊維を混ぜたもので、通常の白漆喰よりも密着力が高く、雨水を通しません。南蛮漆喰は施工後すぐに雨が降っても流れにくいのが特徴。

ただし、均一な厚みで詰めないと内部に空洞ができるため、一発仕上げの精度が重要です。

棟瓦積み替え

清掃した下地の上に南蛮漆喰を敷き、既存の棟瓦を再利用して積み直します。一枚一枚をステンレス線でしっかり固定し、見た目にも美しい仕上がりになりました。

棟瓦を並べる時は、1段目の水平が大切なのでここをミリ単位で調整することで、棟の仕上がりがまっすぐになります。

壁際水切板金塗装工事

壁際の水切り板金は、雨水が集中しやすく、もっとも錆びやすい部分です。水切り板金表面に錆転換剤を塗布してから塗装を行いました。

この錆転換剤は、鉄部に発生したサビを化学的に変化させて防錆被膜に変える特殊剤です。
サビの進行を止め、上塗り塗料の密着を高める効果があるため、通常の塗装よりも長期的にサビを防ぐことができます。

下地処理が乾いてから、仕上げに日本ペイントのファインシリコン塗料を使用しました。この塗料は耐候性が高く、金属や板金部分との相性も抜群です。

太陽の紫外線や雨風にも強いので、ツヤも長持ち・色あせしにくいのが特徴です。塗装する事で、外壁側からの雨水の侵入を防ぐ事が出来ます。

雨染みがある天井の張り替え・内装復旧

雨漏りが止まったことを確認後、天井ボードを新しいものに張り替え、塗装で仕上げました。
以前よりも明るく清潔な室内へと生まれ変わりました。

雨漏りで困っていお客様Q&A｜よくあるご質問

雨漏りの原因が屋根か外壁か分からない場合はどうすればいいですか？

他社で止まらなかった雨漏りの多くは、原因の特定ミスが原因です。 当店では雨漏り診断士が現場調査を行い、1回の施工で確実に止める設計を徹底しています。

📞 お問い合わせ先：0120-99-7817（９時～２０時受付）

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